色のイメージはどんな印象を与える?印刷・Webで意識したい配色の考え方
- 2022年1月18日
- 読了時間: 6分
更新日:3月9日
チラシやパンフレット、名刺、ポスターはもちろん、ホームページやSNSの画像でも、「何色を使うか」 は第一印象を大きく左右します。色は見た目を整えるだけでなく、企業や店舗の雰囲気、サービスの信頼感、商品の魅力を伝える大切な要素です。
ただし、いまのデザインでは「イメージに合う色を選ぶ」だけでは不十分です。伝えたい印象に加えて、読みやすさや見分けやすさも意識することが重要です。特にWebでは、文字と背景のコントラストが足りないと読みにくくなり、色だけで情報を伝えると、見る人によっては内容が伝わりにくくなることがあります。W3Cやデジタル庁のガイドでも、色相そのものより明暗のコントラストや、色だけに頼らない情報設計が大切だと示されています。
また、デジタルの場面では、ブランドカラーをそのまますべての要素に使うのではなく、ブランドらしさを保ちながら、見やすい色を組み合わせる考え方が一般的です。GoogleのMaterial Designでも、ブランドのメインカラーを軸にしつつ、使いやすさに配慮したカラーパターンを作る考え方が紹介されています。
では、色にはどのような印象があるのでしょうか。代表的なイメージを見ていきましょう。
赤 | 情熱・活力・行動力・強さ 赤は、目を引きやすく、エネルギッシュな印象を与える色です。セール告知やキャンペーン、注目してほしい見出しなどに使うと、強い訴求につながります。一方で、多用しすぎると圧が強く見えることもあるため、ポイント使いが効果的です。 |
ピンク | やわらかさ・やさしさ・かわいらしさ・親しみ ピンクは、やさしく親近感のある雰囲気をつくりやすい色です。美容、子ども向け、ギフト、やわらかい世界観を出したい場面に向いています。淡いトーンなら上品に、鮮やかなトーンなら華やかに見せられます。 |
オレンジ | 温かさ・楽しさ・親しみ・元気 オレンジは、あたたかく前向きな印象を与えます。親しみやすさやコミュニケーションのしやすさを感じさせたいときに使いやすく、飲食、教育、地域イベントなどにも相性のよい色です。 |
黄色 | 明るさ・希望・軽やかさ・注意喚起 黄色は、明るく元気な印象のある色です。目立ちやすいため、楽しさや前向きさを表現できますが、背景との組み合わせによっては文字が読みにくくなることがあります。使う場合は、黒や濃色との組み合わせで視認性を確保すると安心です。 |
黄緑 | 若々しさ・自然・軽快さ 黄緑は、フレッシュで軽やかな印象を持ちます。新しさ、みずみずしさ、親しみやすさを出したいときに向いています。健康や自然をイメージさせる場面にも使いやすい色です。 |
緑 | 安心感・自然・穏やかさ・癒し 緑は、落ち着きや安心感を与えやすい色です。環境、医療、福祉、食品、地域密着など、「信頼」や「やさしさ」を感じてもらいたい場面でよく使われます。 |
水色 | 爽やかさ・清潔感・軽快さ・開放感 水色は、明るく清潔な印象を持つ色です。春夏の販促物や、さっぱりとした印象を出したいデザインによく合います。やわらかいトーンにすると親しみやすく、明るい印象になります。 |
青 | 信頼・誠実・知的・清潔感 青は、企業のコーポレートカラーとしても使われることが多く、信頼感や落ち着きを伝えやすい色です。BtoB企業、金融、医療、ITなど、安心感や誠実さを大切にしたい場面と相性がよいでしょう。ブランド認知の面でも、色は印象形成に影響しやすいとされています。 |
グレー | 落ち着き・上品さ・中立・洗練 グレーは、主張しすぎず、全体を整える色です。単体では控えめですが、他の色を引き立てたり、上品で落ち着いた印象を出したりするのに役立ちます。コーポレート系やシンプルなデザインにも使いやすい色です。 |
黒 | 高級感・力強さ・重厚感・モダン 黒は、引き締まった印象や高級感を演出しやすい色です。ファッション、住宅、車、ブランディング重視のデザインでよく用いられます。ただし、重たく見えすぎないよう、白や余白とのバランスが重要です。 |
ベージュ | やわらかさ・自然体・安心感・ぬくもり ベージュは、穏やかでやさしい印象を与えます。ナチュラル系、暮らし、福祉、食品、雑貨など、やわらかい雰囲気を大切にしたいデザインに向いています。 |
白 | 清潔感・上品さ・純粋さ・余白の美しさ 白は、他の色を引き立てるだけでなく、清潔感や整った印象を与えます。Webや紙面では、白そのものよりも余白としての役割も大きく、情報を見やすく整理する上でも重要です。 |
色は「単色」より「組み合わせ」で印象が決まる
色は1色だけで印象が決まるわけではありません。たとえば、黄緑・水色・ピンク・オレンジのような明るい色を組み合わせると、元気で親しみやすい印象になります。反対に、ネイビー・グレー・黒などを中心にすると、落ち着きや信頼感、高級感のある印象になります。元の記事でも、組み合わせ次第で伝わる印象が変わる点が紹介されています。
いまの配色では、見た目の印象に加えて、次のような視点も大切です。
1. ブランドカラーだけで組まない
ブランドカラーは大切ですが、すべてをその色で統一すると、かえって読みにくくなる場合があります。ロゴやキービジュアルにはブランドカラーを使い、本文やボタン、リンクなどは見やすさを優先した補助色を使う考え方が実践的です。デジタル庁のデザインシステムでも、サイト内のすべての色をブランドカラーだけで構成する必要はないと示されています。
2. 文字は「好きな色」より「読める色」
テキストの可読性には、色の好みよりも背景とのコントラストが重要です。W3Cでは、色相よりも明暗差が読みやすさに影響すると説明しています。淡い背景に淡い文字、白背景に薄いグレー文字などは、おしゃれに見えても読みにくくなりやすいため注意が必要です。
3. 色だけで情報を伝えない
「赤が重要」「緑がOK」のように、色だけで意味を伝えると、うまく認識できない人もいます。Webや資料では、色に加えてアイコン・文字・線・ラベルなども組み合わせると、より伝わりやすくなります。
4. 紙と画面では見え方が変わる
同じ色でも、印刷物とスマホ画面では印象が変わることがあります。さらにWebでは、ライト表示・ダーク表示の両方を意識する場面も増えています。画面で使う色は、実際の閲覧環境も考えて調整していくことが大切です。GoogleのMaterial Designでは、ライトスキームとダークスキームの両方を前提にしたカラーパターンが扱われています。

まとめ
色は、デザインの雰囲気を整えるだけでなく、「どんな会社なのか」「どんな商品なのか」「どんな印象を持ってほしいのか」 を伝える大切な手段です。
ただ、現在の販促や情報発信では、
印象に合っているか
読みやすいか
見分けやすいか
紙でも画面でも伝わるか
まで考えて配色を決めることが重要です。
「なんとなく好きな色」で選ぶのではなく、目的・ターゲット・媒体に合わせて色を設計すること が、伝わるデザインにつながります。
印刷物もWebも、色の選び方ひとつで印象は大きく変わります。配色に迷ったときは、見た目の好みだけでなく、誰に何をどう伝えたいのか を基準に考えてみましょう。


